ウールはエシカルな素材?環境に優しい3つの理由
「サステナブル」や「エシカル」が叫ばれる昨今、冬の定番素材であるウールが環境に優しいエコ素材として見直されています。
ウールがなぜ環境に優しいのか?
エシカルな素材なのか?
などの疑問について解説します!
ウールとは?
ウールの歴史はなんと紀元前3000年にまでさかのぼり、現在は東南アジアをのぞく世界全土で飼育されています。
セーターに使われる以外にフェルト素材、ピアノのハンマー部分、帽子などに愛用されてきました。
ウールの種類
メリノウール
衣服用としていちばんポピュラーなウールの種類です。
12世紀スペインで生まれ、その後世界中へ広まり現在オーストラリアやニュージーランドを中心に生産されています。
主な特徴は以下の2点です。
- 除湿性や保温性に優れている
- 羊毛の中でも最高品質
出典:ニッケグループ|事業内容|衣料繊維事業|ウールについて|ウールの歴史をたどる|海外編2 (nikke.co.jp)
アルパカウール
1800年代イギリスでアルパカの羊毛をウール繊維に加工する技術が普及しました。
「ベビーアルパカ」と名称が付くのは生後2年までのアルパカの子どもです。
以下のような特徴があります。
- チクチクしずらく、柔らかい肌触り
- はっ水効果◎
リサイクルウール
製品の製造過程で出た捨てられてしまうウールや、中古のウール製品等から再度紡績して製品化されたウールのことです。
再生ウールとも呼ばれています。
- 新品のウール製品を作るより環境への負荷が少ない
- 捨てられてしまうウールから新たなウールへと生まれ変わることができる
ウールがサステナブルな理由3選
天然繊維である
ウールは地球に還る生分解性の素材です。
プラスチックなどの化学繊維を使用していないため、究極のナチュラル素材とも言えますね。
地球だけでなく、人間にとっても優しいぬくもりでわたしたちの冬を温めてくれます。
また家庭での洗濯によりマイクロプラスチックが海へ流れ出ることもなく、環境への配慮もばっちりです。
リサイクル可能
衣服などに使われる素材の中でも、ウールは特にリサイクルに向いている素材です。
衣服やくずを紡績し直して新しい糸をつくったり、フェルト生地などへと生まれ変わるなど余すことなく使用することができます。
ニットなどの他スーツメーカーなどでもスーツのリサイクル回収を行っているところもあるので、ぜひ活用してみて下さい。
機能性が高く、長く使用できる
比較的洗う頻度が少なくて良いため、省資源でお手入れが実現できます。
その理由は、ウールは防臭性に優れており汚れにくい特徴があるからです。
自宅で洗濯をする場合は裏返して洗ってあげると毛玉になりにくく、より綺麗な状態を保てるでしょう。
羊さんのもこもこウール繊維は、自然の中で生活しやすいようになっているんですね。
ケケンのTextile Exchange認証 – ケケンのTextile Exchange認証のサイト (jwif.org)さんの講演会で聞いたお話によると、正倉院で1000年物のウール製品が保存されているそう。
ウールはきちんと管理をしていれば、時代を超えることのできるスーパー繊維なのかも知れません。
ウールをめぐる問題
動物福祉
「アニマルウェルフェア(動物福祉)」とは、動物の心身ストレスができるだけ少ないよう目指す欧州発の考え方のことです。
これはペットから畜産動物、動物園などで飼育される動物に対し定義されるもので、人間の商業的な都合によりアニマルウェルフェアが軽視されていることがないよう普及が呼びかけられています。
ミュージングウールとは?
ウールにおける動物福祉の問題点として「ミュージングウール」を挙げることができます。
「ミュージングウール」とは羊さんの寄生虫を防ぐために子羊の皮膚を切り取る方法のこと。
この行為は羊さんに大きな痛みを与えます。
そこでイギリスでは2018年頃から「NOミュージングウール」の運動がはじまりました。しかしウール大国のオーストラリアではミュージングウールに対する法規制はまだなく、一部農家の努力に委ねる形となっています。
「NOミュージングウール」認証の商品やウール毛糸が販売されているので、それらを選ぶことがわたしたち消費者のできる選択となります。
環境への影響
「ウールは生分解性繊維でエコ」と前章で紹介しました。しかしウール生産は環境に負荷をかけている一面もあります。
温室効果ガス、水、エネルギー、工場からの排水……
ウールに限ったことではありませんが、生産段階においてエコが問われる時代となっていますね。
サステナブルなウール認証マーク
ウールをめぐる問題を解決するためのウール認証マークがあります。
出典:責任あるウールスタンダード(RWS) – 織物交換 (textileexchange.org)
RWS(責任あるウールスタンダード)認証は、羊の生産から製品が流通するまでのトレーサビリティまでを追跡するものです。
RWS6つのポイント
- 動物福祉の保護
- 土地環境の保護
- 労働者などの社会福祉保護
- 農場から製品まで一貫してRWSウールの品質を守る
- 第三者機関による厳しい認証マークである
- 各ステークホルダーの協力
出典:ケケンのTextile Exchange認証 – ケケンのTextile Exchange認証のサイト (jwif.org)
サステナブルなウール製品紹介
ここからはおすすめのサステナブルウールを使用した製品を紹介していきます。
1 ピープルツリーのニット
手編みパッチワークケーブルセーター 【フェアトレード】【ピープルツリー公式】【PeopleTree】【エシカル】
フェアトレードブランドとして有名なpeopletreeからパッチワーク模様のオシャレなニットをご紹介。
写真のイエローの他に深いグリーン、ブラウンもあるのでお好きなカラーを選ぶのも楽しそうですね。
ポロ ラルフローレン マフラー チェック ウール100% イタリア製 PC0856 PC0761 PC0762 ラルフ ストール
ユニセックスに使えるラルフローレンのチェックマフラー。
こちらはリサイクルウールを配合している商品です。
プレゼントにもピッタリですね。
パタゴニア レディース 帽子 アクセサリー Patagonia Wool Pom Beanie – Women’s Horizon Knit: Hot Ember
Patagoniaのウール製品はRWS(責任あるウールスタンダード)認証を取得しています。
サスティナブルファッションの先駆者とも言えるPatagoniaの本気を感じます。
こちらのニット帽は写真のオレンジ系以外にもブラウンやブルー系もあるのでペアやご家族で色違いで身に着けるのもおしゃれです!
まとめ
わたしたちの生活にとても身近なウール素材ですが、日本では原料となる羊毛の多くを海外から輸入に頼り製品として加工してきました。
だからこそ、ウールの「真実」が見えづらい部分があるのではないでしょうか。
本記事をきっかけに、ウール製品を購入するときに「エシカルかな?」と考えて頂ければ幸いです。