種苗法改正とは?「タネは誰のもの」【ドキュメンタリー映画レビュー】
こんにちは!かがりです。
学生時代に100本近くのドキュメンタリー映画を観たわたしがお送りする【ドキュメンタリー映画レビュー】シリーズがついに始まりました✨
大学ではドキュメンタリー映画を中心とした映画評論を学び、沼にどっぷり浸かっていました。そんなわたしがみなさんへ
・難しいことをわかりやすく
・社会問題を考えるきっかけをつくる
ことを目標としてちょこちょこブログを書ければいいな!と思っていますのでよろしくお願いしますね!
種苗法(しゅびょうほう、平成10年法律第83号)は、植物の新品種の創作に対する保護を定めた日本の法律。1998年5月29日に公布された。植物の新たな品種(花や農産物等)の創作をした者は、その新品種を登録することで、植物の新品種を育成する権利(育成者権)を占有することができる旨が定められている。(Wikipediaより)
今年の春にネットで話題になっていた種苗法改正。少し読んでみたら、日本の農業が危機にさらされているとかさらされていないとか。
「見かけたことはあるけどよくわからない」
「農業の話でしょ?自分には関係ないかな」
そんなことを思っている方が多いのではないでしょうか。
法律のことだしなんだか難しそう……
そう思うととっつきにくいですよね。
本記事では、映画「タネは誰のもの」を通して少しでもわかりやすく種苗法改正についてのリアルをお届けします。
映画「タネは誰のもの」について
2020年12月2日、今月に衆議院本会議で「種苗法の一部を改正する法律案」が可決され成立しました。この作品は2020年11月に公開されたばかりです。
2020年6月に国会成立が見送られ、継続審議となった種苗法改定の動きに対して賛否が渦巻く中、自家採種・自家増殖している農家と種苗育成農家の双方の声を伝えるため、北海道から沖縄まで様々な農業の現場を取材。
政府が拙速に改定を成立させようとしている中、種苗法改定(案)が日本の農業を深刻な危機に陥れる可能性を、専門家の分析も含め農業の現場から探った。(映画「タネは誰のもの」公式サイトより)
今回わたしは生協の宅配パルシステム会員向けに行われた上映会にて、本作品を視聴しました。
会場とオンライン配信を同時に使ったハイブリット開催!わたしは自宅のPCから視聴しました。
いや~この寒い冬の日にぬくぬくおうちで配信してもらえるなんていい時代ですね☆
65分の映画なので、気軽に観ることができるのもグッド。
映画を通して種苗法について知ったこと
「農業者の皆様に、優良な品種を持続的に利用してもらうためです。」
農林水産省のHP内、種苗法についてよくある質問のコーナーには種苗法改正についての必要性への疑問への回答としてこんな一文が掲載されている。
映画を観る前の方にとっては「ふーん……」とスルーしてしまうような文章だ。
なぜ、この法案が物議をかもしているのか。そして、わたしたちの生活にどのような影響があるのでしょうか。
1 タネの海外流出を食い止めることが最大の目的、とする農林水産省
近年大人気の高級フルーツとして知られるシャインマスカット。
日本の機関がながーい年月をかけて開発した高級ブランドシャインマスカットが中国や韓国や持ち出され栽培→さらに他国安くへ流通、ということが起きてしまっています。
そんなの犯罪だ!どうにかならないの!?
……残念ながら、現在の種苗法では規制がないためどうにもこうにもならないんですわ。
その解決策として、種苗法改正を実行することで規制をつくり、日本の農業守ろう~
というのが農林水産省側の説明です。
参考にしたNHKのサイトにも同じような記載がありました。
ですが、映画を観ているとあれれ?と思うのです。
国の思惑は農業守ろう~
ではないということに。この海外にタネが流出している問題、映画に出演されていた弁護士さんによると、
「現在の法律で十分対処できる」
とのこと。これはなんだか裏の理由がありそうな気配ですね~。
2 種苗法改正は世界の大企業の陰謀!?
仮にタネが守れたとしても、さらなる落とし穴が農家さんを襲うおそれがあります。
時は2013年にさかのぼります。日本が参加したTPP条約(本題とズレてしまうので詳細省きます)により、アメリカなどからの輸入品にかかる関税が大幅に引き下げられることになりました。
これはすなわち、アメリカなどからの安い作物を大量に輸入する流れとなり日本の農業が脅かされる可能性があるということ。また遺伝子組み換え食品や残留農薬の規制も緩和されるオプション付き☆泣
ただでさえこのような状態に日本は置かれている中、種苗法改正が施行されるとタネを大事に育ててきた農家より企業側のタネの権利が強くなる方向にベクトルが向いています。その結果、
・日本が守ってきたタネは国内で売れにくくなり、それどころか日本農家はモンサント社などグローバル企業からタネを買ったり、ロイヤリティを支払うことに!
現在は、自分の畑で採れたタネをまた次の年に使う、といった自家増殖の方法で栽培をしている農家が数多くあります。しかし種苗法改正により「登録品種」に該当するタネは今までは農家やみんなのものであったのに権利が企業の物になってしまい、いわば奴隷のようになってしまうというのです。
ロイヤリティ、に絡めたお話だとコンビニ本社とオーナーの間で高いロイヤリティがあり経営が苦しい、搾取だ、との問題があることが有名ですよね。
同じような問題が農家さんとグローバル企業の間で発生してしまう仕組みが、今回の種苗法改正にあたるということではないでしょうか。
というか、農家さんへのインタビュー場面で、「タネを購入するようになってしまったら、出費が増えて商売ができない……」
とおっしゃっている場面が多くありました。
このままだと、農家さんは頑張って働いても外国へおカネが流れていく。
わたしたち消費者は日本の農家さんが作った作物は高価で買えなくなる。安くても安全かわからない海外の作物を食べることになる。
そんな未来が想像できます。
作品中、インタビューを受けていたあるサトウキビ農家さんのお話では、
「アメリカではトウモロコシが余っているらしい。それを砂糖に加工して日本に押し付けて、日本のサトウキビをつぶそうとしいるのでは。」
とのこと。
このトウモロコシがアメリカで余剰な件、米国の圧力により日本側が購入させられるという内容の情報を見かけたことがあり心配していましたが、リアルな関係者さんの声を実際に聞くことにより「本当にどうにかしなければならない」と感じました。
3 そもそもタネはみんなのものであるべき
映画の終盤。たくさんの種類を作物を育て、タネを採っている農家さんへのインタビューシーンが映し出される。その方はこんな言葉をわたしたちに問いかけます。
「食料に対して権利って必要なんだろうか?
世界的に温暖化による気候危機が叫ばれている中、そんなことを言っている場合なんだろうか?
タネは、本来みんなでシェアしていくべきものなのではないだろうか?」
その眼差し、問いかけは観る人々の心に大きく刺さるシーンでした。
映画のラストシーン。
国連でも、農家の種子の権利が保障されている。みたいな黒背景に文字のみの迫力満点なテロップが出現して終了。
まだまだ話を聞いてみたいな、知りたいこと、知るべきことがたくさんわたしたち残されているのではないだろうか。
そんなあっという間の65分でした。
種苗法改正。わたしにできることって何だろう?4つの提案
「種苗法の問題を知ったところで個人にできることなんてないんじゃないかな……」
と後ろ向きな気持ちになってしまっているあなたへ。わたしから4つの提案があります。あなたのできることから実践してみませんか?
1 この記事や、情報を拡散すること
種苗法改正について調べてみましょう!本記事でも、あなたが良い!と思った記事をSNSや友人にシェアしてみよう。
2 映画「タネは誰のもの」を視聴すること
今回紹介させていただきました映画「タネは誰のもの」オンライン上で1000円で観れます。
ドキュメンタリー映画『タネは誰のもの』公式サイト (kiroku-bito.com)
↑↑↑こちらの公式サイトから視聴してみませんか?↑↑↑
3 キャンペーンに参加すること
お次は具体的なアクションの紹介です。こちらのサイトからカンタンにあなたの一票が届きますよ。
4 パルシステムを通じて勉強会に参加したり情報を知ること
今回参加したパルシステムの上映会では、本編上映後に運営者側からのパルシステムの取り組みについての説明がありました。事前に共有していただいた資料スライドを元にご説明頂き、わたしたち組合員の食の安全や農家さんたちのアンケート調査のど真摯な取り組みを聞けて良かったなと思いました。
毎日の生活に関わる食。信頼できるところから購入したいなぁと改めて思いました。
こちらの紹介リンクから加入された方には特典があるようなのでご興味がありましたらよろしくお願いします!
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※配達エリア内(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・福島・山梨・長野・静岡・新潟)なら、他都県のお友だちもお気軽にご紹介ください。
一部配達をしていない地域があります。長野県での宅配サービス開始は2021年4月からを予定しています。
※パルシステムサイトに記載がありました注意点になります。